現代のネクロマンサー

県道██号線、人通りも電波通りも無い山道を走り続けて3時間。カーナビは、1時間前から同じ場所を指し続けている。何時終わるともしれない道路に憤りを覚え始めた時、突如ラジオが喋りだした。

「……無縁墓地を運営……ザザザ……最強の遺骨娘を作ろう……ビュイビュイ……SSR確定ガチャ実施……ザー……遺骨娘で検……」


ラジオが再び沈黙してから2時間が経った。山道が終わる様子は無い。地図を確認しようと取り出したスマホに「遺骨娘」という文字が輝く。地図アプリは無くなっていた。

仕方が無いので、「遺骨娘」を押下。チュートリアル画面がリジュームした。起動した覚えが無いアプリのリジューム、何かがおかしい。

『このゲームでは、遺骨の強さを競います。遺骨を持っていない?……ガチャで遺骨をゲットする事から始めましょう!!』

燦びやかに光るお堂から、勢い良く放出される遺骨のアニメーションがスマホを熱くする。放出された遺骨が骨壷に吸い込まれていく。骨壺の表面には「TAP!」の文字が踊る。

震える指によって画面が押下され、「ベンガル猫」と「奉納された少女」が出現した。

『少女が猫娘だったら……そう思ったあなたに朗報!ゲットした二つの遺骨をミックスしましょう!すると……???』

猫と少女が遺骨に戻り、擂鉢でゴビゴビ混ぜられていく。

『猫娘の完成です!』

画面には、厭世的な表情をした娘が映し出されていた。その目は虚ろだ。

「にゃあ……お…ぇちゃん……一緒……」

彼女は一言そう呟き、姿を消した。


ザァザァ……

『遺骨っ娘の根源、そして戦う意味……重厚な世界を読み解くカギは、遺骨のストーリーにある。遺骨を組み合わせると、新たなストーリーが解放される事も!』

テロリンッ

『気に入った遺骨っ娘は助手にしましょう!助手にすれば、何時でもあなたの遺骨っ娘に会う事ができます。好感度を上げれば……?これ以上はあなたの目で確かめて下さい!!』

ざぁざぁ……